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2004.05.07

キャシャーンがやらねば誰がやる ~映画「CASSHERN」

Gaiはアニメの「新造人間キャシャーン」をリアルタイムで見た世代。
でも、かなり幼かったので、その内容のほとんどを覚えてはいない。
ただ、勧善懲悪なヒーローものが多かったあの当時にあって、どこか哀愁漂うストーリーだった印象は残っている。

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映画「CASSHERN」の成功の要素の一つに、この原作アニメに対して、観る側がそれほど大きなこだわりを持ってはいないという点が挙げられると思う。

誰もがよく知っていて、観る側がイメージや世界観を完成させている原作を持つ映像作品は、その分評価も厳しくなりがちだ。

 
紀里谷監督は原作アニメに対するオマージュ的要素を散りばめつつも、単なる昔のアニメの実写化というテーマに捉われることなく、その原作アニメからインスパイアされたイメージを前面に押し出しつつ、独立した作品として仕上げてみせた。

宇多田ヒカルの大ファンであるGaiは彼女のDVD作品を一通り持っていて、紀里谷氏が監督したPVもいくつか見ているので、氏の独特の感性や映像に対するこだわり方などは結構高く評価していた。

しかし映画となると・・・

異業種から出発して映画を手掛けるという人は少なくない。
漫画家や映画評論家、劇作家などなど・・・

しかし多くの場合、独りよがり的な作品になりがちで、「わかる人にだけわかってもらえればいい」みたいな、見ている側がおいてけぼりにされるといったケースも多いと感じる。

今回もそんな危うさを少し心配していた。

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実際のところ、その危うさが予想通り的中しそうな要素もあった。

最後にはしっかり伏線の整理などもされてはいるのだが、途中の「え?どういうこと?」的なストーリー展開部分が結構長いため、スッキリしないまま引っ張られていく印象を終わり近くまで拭えなかった。

いや、個人的にはラストも決してスッキリしたものではない。
全体のバランス的にはもう少しラストをきっちりというか、時間をかけて描いてもらえたら、もっとスッキリさせてもらえたのでは?という印象だ。

恐らくこの映画は、少なくともそのストーリーに関しては、最初の一回目の鑑賞だけではキツイ。
きっともう一度繰り返して見た時には、もっと一つ一つのシーンをより深く理解できるのかもしれない。
時間が許せば、もう一回通して見たかった。

ただ、そういった点を些細な事だと感じさせるほど、映像と音楽がパワーを持っている事も間違いない。

難解なストーリー展開や、アート的なだわりに走ってしまいかねない作品であるにも関わらず、見る側を最後まで引っ張ってくれたのは、そのパワーと、そして見事な役者たちの演技だ。

とにかく役者がいい。
初監督作品であるにも関わらず、よくぞここまで集めたと、拍手を送りたい。

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扱っているテーマが普遍的なものであるが故に、語られるセリフなどは極論してしまうと「陳腐」なセリフも多いのだが、そうは感じさせずに素直に聞くことができ、共感を覚えさせてくれる作品となっているのは、俳優陣の素晴らしさに負うところが大きいと思う。

そして紀里谷監督の作る映像美は、全編を通して息を呑む。
幻想的な映像美を持たないシーンは一箇所として無い。
さすがに「ファッションフォトグラファー」出身の監督である。
動画というよりも、その一コマ一コマが絵画であり、その美しい絵画だけを繋げて動画として見せているという印象を受ける。

音楽もまたしかり。
単に選曲のセンスの良さというだけでなく、映像とのシンクロ感などは、さすがにPVの評価の高い紀里谷監督ならではといえる。

とにかく劇場で観ておいて良かったと思える作品だった。

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ラストに流れる宇多田ヒカルのテーマ曲の歌詞が心にしみた。

「みんなの願いは同時には叶わない」

・・・今も憎しみの連鎖は終わることなく、戦争が繰り返されている。

「小さな地球が回るほど やさしさが身につくよ」

・・・憎しみの連鎖を断ち切るには、「許す心」を持つしかない。

繰り返される歴史の中で、人類すべてがその優しさを身に付けていってほしいと願うばかりだ。

もちろん自分自身も。

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コメント

ども。
Gai さんも御覧になったのですね・・・

各所で賛否両論がありますが、「映像としては最高」と思うのだ。
私は中学生の娘といっしょに観たのだ。
もちろん、二人とも大満足!!(ちなみに娘は宇多田のファン、私はPV のファン)
映画を観た後、娘曰く「TVCM では、この映画の良さが伝わらないね・・・」、私もそう思ったのだ。

私の日記にトラックバックして頂いたtakeratta さんとこでは、多くの方々の感想が見れるのだ。
http://blog.takeratta.com/archives/000702.html

投稿: はんぎょどん | 2004.05.08 10:06 午後

うはー、トラバの返礼が多いとはいえ、すごいコメント数ですな。

読んでみて感じたのは「映画を見る前に、そして感想をBlogに書く前にココを見なくて良かった」でした^^;

先にこれらのコメントを読んでしまっていたら、ヘンに先入観や受け売りが入ってしまっていただろうから。

「TVCM では、この映画の良さが伝わらないね・・・」は同感です。「キャシャーンがやらねば誰がやる」なんてセリフはどこにも無いですしね^^;

しかし中学生の娘さんのセリフとは恐れ入りました。
なかなか洞察力というか感性鋭いですね。
将来大物?

投稿: Gai | 2004.05.09 12:22 午前

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