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2004.05.19

「侍の魂」は今もあるか・・・ ~DVD「ラストサムライ」

たった今見終わった。
感想を一言でいうなら「見事」の一語に尽きる。

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アメリカ人が作る映画の中に出てくる日本人や日本の文化というのは、大抵は苦笑させられるようなものが多いが、この「ラストサムライ」においては隙が無い。
むしろ日本人が作った映画といわれた方が納得がいくくらいの仕上がりと言えるかもしれない。

監督やスタッフ、そしてトム・クルーズや出演された日本人たちにも惜しみなく拍手を贈りたい。
西洋文化全盛の現代にあって、これは間違いなく日本人が自らのルーツを再発見させられる映画だ。

 
昔のアメリカ映画に出てくる日本人といえば、メガネをかけて、カメラを首にぶら下げて・・・といったどこか漫画チックなパターンが多かった。
さすがに最近ではそこまでひどくはなくなってきたと思うが、それでも日本人役者が洋物の映画に西洋人と並んでスクリーンに登場すると、どうしても陳腐に映ることが多い。
なんというか、貫禄というか根本的に格が違うような印象を受けさせられる。

しかし「ラストサムライ」に登場する日本人たちは皆、全く貫禄負けしていない。
渡辺謙、真田広之、小雪はもちろんのこと、他の日本人たちも実に堂々としている。

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どうしてこの映画がアメリカ人の作る他の多くの映画と違って、とても日本人的なのかと考えてみて、それが「静」の描写の上手さにあるのかなと思い至った。

アメリカ映画はそのストーリーの多くをセリフとアクションで描く。
それに対して「ラストサムライ」はセリフもなくアクションもない、じっと役者が佇むシーンが多い。
役者の表情と、そのシーンに流れる空気で物語を綴っていく。
そしてその「静」から一転して展開される、短く激しい「動」への変化が美しい。
この作り方はとても日本的だ。

それにしてもアメリカ人はサムライやニンジャが好きらしい。
黒澤監督に敬意を払っている映画人も多い。
しかし作られる多くの作品が、大抵は漫画的だ。
それは、刀や手裏剣といったアイテムや、殺陣のアクションの面白さに重きを置くためだ。

それに対して「ラストサムライ」は漫画的な描写に走ることなく、真正面から時代劇の面白さ、醍醐味を映像化している。
これはアクションの一つ一つを、「礼」や「型」といった精神的な部分をしっかりと土台に据えて捉えているからだと思う。

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ストーリー全体を通しても、日本人に好まれる、納得のいく展開だとも思う。
一人一人の役者の表情や行動が、「ここはこうあって欲しい」と感じるとおりに展開していく。
それはないだろう、そうじゃないだろう、というところが殆どない。
キャラクター一人一人の心情がよくわかり、安心して物語を追っていける。

それでも後半は、果たしてどんなラストを持ってくるんだろうと心配と期待で目が離せなかった。
こういったテーマ性や哲学性をクローズアップしようとする映画は、とかく物語としての面白さをおざなりにし勝ちだからだ。

しかし少なくともGaiとしては、激しい戦闘の末の決着の仕方も、そしてエンディングも、十分満足のいくものだった。

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現代の日本において真の意味での「忠義」というのは、現実生活において必要とされることはない。
しかし「礼」や「力有る者の責任」という精神は必要だと思う。
これらが欠けてしまっていると感じる局面は多い。

平和な日本の日々の生活の中にでも「力関係」は常に存在する。
上司と部下、男と女、腕力のある者と非力な者、金持ちと貧乏人・・・
強者と弱者の関係は至る所にある。

「力は本来弱者を守る為のもの」、「自分と相容れない者に対しても礼を尽くす」といった武士道の精神は、個が尊重され、人間関係が曖昧な現代にこそ、必要な精神なのかもしれない。

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特典映像の中に、渡辺謙や真田広之が、流暢な英語でトム・クルーズと軽口を言い合い談笑するシーンがあった。
あんな風に自分も英語を話せたらなぁと羨ましく思った。

ネトゲで海外プレイヤーと接する事も多くなってはきたが、言葉の壁と、文化の違いから生じると思われる考え方の違いに戸惑わされることも多い。

それでも、せめて気持ちの上での壁は作る事なく、また日本人の品性を下げる事の無いように接していきたいものだと改めて思った。

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